カニバリゼーション(カニバリ)とは、同じブログの複数の記事が、同じ検索語で表示され、互いに順位を食い合う状態のことです。どの記事も上位に入れず、順位が行ったり来たりするときは、この状態を疑います。見つけるには Search Console で検索語ごとの表示ページを調べ、解消するには統合か、役割の分担を行います。
ただし、同じ検索語で複数のページが表示されること自体は、問題とは限りません。順位が安定して上位にいるなら、気にしなくて構いません。順位が安定しない、または思うように伸びないときに、対処を考えます。
カニバリが起きる理由
カニバリは、次のような場面で起きやすくなります。
- 同じ検索語を狙って、題名だけ変えた記事を複数書いたとき
- 時間がたって、ブログ内に似た内容の記事が増えたとき
- 広いテーマの記事と、その一部を深掘りした記事が、同じ語で表示されるとき
- 古い記事を残したまま、新しい記事を同じテーマで書いたとき
検索エンジンは、1つの検索語に対して、最も適したページを選んで上位に表示しようとします。同じブログの中に似た記事が複数あると、どれを選ぶか迷い、日によって表示される記事が入れ替わることがあります。その結果、評価が分散して、どの記事も伸びにくくなります。
Search Console で見つける手順
Search Console を使えば、特別なツールなしで見つけられます。
- 検索パフォーマンスを開き、期間を過去3か月に設定する
- 「クエリ」の一覧から、調べたい検索語をクリックして絞り込む
- 表示を「ページ」に切り替えて、その検索語で表示されているページの一覧を見る
- 複数のページが表示されていれば、カニバリの候補
また、ページ側から調べる方法もあります。気になる記事を選び、「クエリ」の一覧を見て、その記事が表示されている検索語を調べます。その検索語で、別のページも表示されているかを確認します。
もう一つの簡単な方法は、検索窓に「site:ドメイン名 検索語」と入力して検索することです。自分のブログ内で、その語に関連するページが一覧で出ます。
解消すべきかの判断
候補が見つかったら、本当に解消すべきかを判断します。次の点を確認します。
順位が安定しているか
どちらかの記事が上位で安定していて、もう一方は下位に少し出るだけなら、問題は小さいです。
検索意図が同じか
2つの記事の内容と、狙っている意図を比べます。「リライトのやり方」と「リライトの頻度」は、同じテーマに見えますが、読者の疑問が違います。この場合は、別々の記事として役割が分かれているので、カニバリではありません。
記事が読者に別の価値を提供しているか
内容がほぼ重複していて、どちらを読んでも同じなら、解消の対象です。
解消法1 記事を統合する
内容が重複していて、検索意図も同じなら、統合が最も確実です。順位や表示回数が良いほうを親として残し、もう一方の有用な内容を親に取り込みます。旧記事のアドレスからは、親の記事へ転送の設定をします。
統合の手順は、別の記事で詳しく扱っています。
解消法2 記事の役割を分ける
統合するほど重複していないが、同じ語を狙ってしまっている場合は、役割を分けます。
- 一方を「基本の解説」、もう一方を「具体的な手順」というように、焦点を変える
- 題名と見出しの検索語を、それぞれ違う語に調整する
- 本文の重複した部分を削り、それぞれが独自の内容を持つようにする
例として、「ブログ リライト」を広く解説する記事と、「リライト 題名 変え方」を深掘りする記事に分けます。前者の記事では、題名の変え方を簡単に触れ、詳しくは後者へ案内します。
解消法3 内部リンクで主従を示す
役割が分かれたら、内部リンクで関係を示します。広いテーマの記事(親)から、深掘りの記事(子)へリンクを貼ります。子から親へも、リンクを貼ります。
アンカーテキストは、子の記事への案内なら、その記事の話題を示す言葉にします。親の記事へのリンクは、親の記事の検索語に近い言葉にします。こうすると、どちらが主役の記事かが、検索エンジンにも伝わりやすくなります。
予防のための記事管理
カニバリは、解消するより、起こさない工夫のほうが手間がかかりません。記事を書く前に、キーワードの割り当て表を見て、同じ検索語がすでに使われていないかを確認します。割り当て表には、記事ごとに狙う検索語と、扱う読者の状況を書いておきます。
新しい記事が既存の記事と似ていると気づいたら、新しい記事を書くのではなく、既存の記事に追記する選択肢を考えます。追記で足りる内容なら、記事を増やさないほうが、ブログ全体がすっきりします。
解消後の観察
統合や役割分担を行ったあとは、2〜3か月かけて、順位と表示回数の推移を観察します。カニバリが原因だった場合は、評価が一本に集まり、順位が安定してくることがあります。一方、変化が見られない場合は、別の原因が考えられるので、記事の質や競合の状況を見直します。解消の作業は一度で完了するとは限らず、観察と調整をくり返す中で、少しずつ整っていくものです。
意図的に複数の記事を表示させる考え方
同じ検索語で、自分のブログの複数の記事が上位を占めている状況は、悪い状態とは限りません。検索結果の1ページ目に自分の記事が2つ並べば、読者の目に触れる機会が増えます。順位が安定して高ければ、あえて解消する必要はないと判断しても構いません。状況を見て、損をしている兆候があるときにだけ対処する、という姿勢で臨んでください。
作業の進め方のコツ
カニバリの解消は、慎重に進めます。いきなり多くの記事を変えず、1組ずつ対処して、数週間の様子を見ます。統合や転送の設定は、元に戻すのが大変なので、事前に記事の内容を保存しておきます。複数の組を同時に変更すると、結果の原因がわからなくなるため、変更は1つずつ行い、日付を記録しておくと安心です。
カニバリの問題は、記事が増えるほど起きやすくなります。裏を返せば、記事が増えて、整理が必要になった証拠でもあります。定期的に記事を見直し、役割を整理する習慣が、ブログを長く育てていくうえでの基礎体力になります。
解消の作業を終えたあとは、内部リンクの貼り替えと、旧記事への転送設定を忘れずに確認してください。ここが抜けると、せっかくの整理が十分な効果を持たなくなります。
次にやること
今日できる作業を挙げます。
- Search Console で、過去3か月に表示回数の多かった検索語を5つ選ぶ
- それぞれで、複数のページが表示されていないかを確認する
- 複数表示されていた語について、内容と意図が同じかを判断し、統合か役割分担かを決める
解消の作業は、1つずつ進め、数週間の間隔を置いて結果を観察してください。




